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恐怖の大王は未だ“そこ”に居た
称好。去年の初めWPBはひとつの“予言”ともいえる警告特集を紹介した。
それは西暦2004年が古代中国から伝わる暦法“九曜暦”の「五黄土星」にあたり、この9年に1回めぐってくる年には世界各地で天変地異や戦乱などが続発するという内容だった。
そして不幸にも、その物騒な警告は的中してしまった。日本列島は観測史上に例をみない猛暑と台風災害に襲われ、浅間山噴火や新潟中越地震が起きた。世界に目を向ければ、イラク問題は混迷化するばかりで、凄惨なテロ事件もエスカレート。さらに、とどめの一撃のように、恐るべき「インド洋大津波災害」が発生した! もう、うんざりの一年間だった。今年こそ、平和な年でありますように…。 ところが! どうも地球規模の“厄年”は去年で終わったわけではなさそうなのだ。これもまた古代中国の神秘思想によれば、なんと西暦2005年こそ世界中が凄まじい大破局に陥るというのだ! どういうことか!? それは中国の予言書『推背図』の次の文章に記されている。
讖曰
飛者非鳥 潜者非魚
戦不在兵 造化遊戯
頌曰
海彊萬里盡雲烟 上迄雲霄下及泉
金母木公工幻弄 千戈未接禍連天
この漢詩文の意味解読は後まわしとして、そもそも『推背図』とは何か?風水占術など中国神秘思想研究の大家/鮑黎明氏はこう説明する。
「これは7世紀中頃の中国・唐時代初期に書かれたもので、当時の天文学者、李淳風と袁天綱が著者だといわれています。この二人は多くの人名辞典にも紹介された実在の人物で、今でいう国立天文台所長にあたる地位にいました。宇宙の運行から人間界の運命を予測する古代中国の占術や予言書は、元々は時の権力者たちの独占物で、『推背図』もまた唐王朝の歴代皇帝しか読めない最高機密文書でした。しかし、王朝が代わった宋時代(10世紀〜)頃から一般にも流出し、その写本が今に伝わってきました。予言方法は、古代世界で最高水準に達していた中国占星術の奥義や、天体の動きを観察して得られた霊的インスピレーションを詩文化したと思われます」
この予言書の信憑性を確かめるために、台湾・台北市内の宗教関連書籍専門店/信源書局にも取材してみた。
「中国の長い歴史の中ではさまざまな予言書が作られましたが、特に『推背図』は、数多くの学識者たちが真剣に研究し続けてきました。つまり予言書の最重要ポイント“的中率”の高さで群をぬいた存在なんです」
西洋では『ノストラダムス大予言書』が有名だが、それよりも約千3百年も前に『推背図』は書かれた。鮑黎明氏は、さらに詳しく説明する。
「ノストラダムス予言の詩文は二重三重の意味をもつ難解な言葉や、時には予言内容とは逆の表現などで書かれています。『推背図』はもう少しシンプルで、一文字で多くの情報を語る漢字の強みを最大限に生かして未来の出来事を正確に表現しています。所々に意味不明な言葉がある場合は、それらの漢字を合成すると、人名や地名、年代などが浮かび上がる仕掛けになっています。さらに各予言詩には謎めいた絵図があり、これらも予言内容を知る大きな手がかりになります」
予言項目は、第一象(章)から第六十象までの60篇。その最終章に一人の人物が前の人物の背中を押す不思議な絵図があり、書名の由来になった。
では、その予言内容とは何か? 元々は古代中国皇帝の機密文書ならば、7世紀以後に起き、また今後に起きる天下国家の一大事だとは想像がつく。すべては紹介しきれないが、これまでに多くの研究家たちは次のような歴史的大事件が的中したと結論している。
●成吉思汗の中国侵攻(1231年)。
●太平天国の乱(1851年)。
●第一次世界大戦(1914年)。
●日本軍の中国侵攻と太平洋戦争勃発、終戦(1937年〜1945年)。
●中華民国(台湾)成立(1949年)。
●朝鮮戦争勃発(1950年)。
●中国・文化大革命(1966年)。
●第一次湾岸戦争、東西冷戦の終結(1990年〜1991年)。
次に実際の予言文を紹介しよう。例えば、日本人が直接に関係した中国侵攻と太平洋戦争は第三十九象で予告されている。
讖曰
鳥無足 山有月
旭初升 人都哭
頌曰
十二月中氣不和 南山有雀北山羅
一朝聴得金鶏叫 大海沈沈日己過
解読方法について鮑氏はいう。
「最初の“讖曰”は“予言によれば”という意味で、“頌曰”は、より詳しい補足説明です。まず“鳥無足 山有月”は典型的な謎かけ文で、鳥の字の足部分(、、、、)がなく、代わりに山が付く(月)ということは“島”の字を表します。次に旭初升(昇)では、その島が旭日旗に象徴された軍国日本を示し、まさに日の出の勢いを得て中国に攻め込み、ついには首都・北京まで制圧して人々が哭き(嘆き)悲しむと解釈できます。そして頌曰の一行目“十二月中氣不和”は、明らかに1941年12月8日の真珠湾攻撃とみて間違いないでしょう。続く“南山有雀北山羅”の雀とは漢文表現のひとつで、小さくても立派に五臓六腑を備えたしたたかな鳥(日本)が南山(中国)に居座るが、最後には北山(アメリカ)の羅(網)に捕らわれてしまう。強い“金鶏”もまたアメリカを示し、結局は日本連合艦隊も大海に沈み敗戦を迎えます。絵図にも日昇または日没を山上から睨む鳥(鷲)が描かれ、これもアメリカを暗示しているわけです」
う〜む…。確かに単なるこじつけではなく、やはり全体的な印象として、かつて大日本帝国が犯した過ちが描かれているように思える。不気味也…。
他があたっているから、余計に恐ろしい…
それではいよいよ、本題の「西暦2005年・世界大破局予言」に話を移そう。これは第五十七象だが、なぜ2005年の予言だとわかるのか?
「その根拠は頌曰の“金母木公”の四文字です。詳述は省きますが60年をひとめぐりとする中国暦法の干支思想では、これらが“乙酉”年を示す単純な暗号であることは確実です。60篇の予言は、おおむね番号が新しくなるほど現代に近い時代、またはまだ起きていない未来の出来事を示していると考えられ、私も含めた研究家の多くは、すでに第五十象代の半ばくらいまでの予言の多くが的中したとみています。そうなると、この乙酉年はまさに今年を意味する可能性が非常に高いわけです。それに詩文自体が前述の第三十九象よりもはっきりと、現代世界に起こり得る破局的事態を描写しています」
すなわち、
讖曰
飛者非鳥(飛ぶもの鳥にあらず)
潜者非魚(潜むもの魚にあらず)
戦不在兵(戦いは兵にあらず)
造化遊戯(造化は遊戯なり)
鳥でもないのに空を飛び、魚でもないのに水中海中に潜むものとは、3行目の“戦”からみて戦闘機やミサイル、
潜水艦に間違いない。そして陸兵戦ではなく、お互いに見えない場所から砲弾やミサイルを撃ち合う電子戦争が予言されている! 「造化は遊戯なり」は、漢詩によく使われる人間の愚かさに対する嘆きである。さらには、
頌曰
海彊萬里盡雲烟 上迄雲霄下及泉
金母木公工幻弄 千戈未接禍連天
戦いの煙は広大な海の果て、空の高みにまで充満し、神に見はなされた世界中に収集不可能な戦禍が広がると説明している。絵図には、口から火を吐いて対決する二人の兵と、上空で交戦する二羽の鳥(戦闘機)がみられる。これらの異様なイメージは、千3百年前の予言者たちがのぞき見た、理解不可能な未来戦争の象徴なのか!?
いずれにしろ、この予言は間違いなく複数の国家を巻き込んだ絶望的な大戦争=第3次世界大戦をストレートに表現しているのだ! ならば、その戦乱の火蓋はどこで切られるのか?
「あくまでも中国の予言書ですから、
まずはアジア、ユーラシア大陸で戦闘が勃発するとみるべきでしょう。そして私が大いに気になっているのは、日本の運命です。風水学で今年の日本列島の運勢展開をみると、首都・東京から北西の方角が“大凶”なんです。つまり北朝鮮との関係が、これまで以上に悪化しそうですね。それと、中国九曜暦では年回りと方角の関係が同じ文字で表記されますが、今年は日本から北西の方角が戦乱や天変地異が起きやすい“五黄土星”に入ります」(鮑氏)
なんと! 年が明けてもまだ、厄介者の五黄土星は日本列島周辺をうろついていたのだ。では、その運勢カードの“ババ”が回ってきた北朝鮮は、どうなるのか。
「国際的に追いつめられる一方の北朝鮮が、もし仮に“窮鼠猫を噛む”ようなヤケを起こして武力行使をしても、自滅を早めるだけでしょう。しかし、問題なのは北朝鮮一国の勝ち負けではありません。そうした事態が起きれば、日本を含む極東アジアから戦火が世界中に広がる恐れがあります。そのきっかけは、やはり中国でしょう。実は7世紀以後の中国は『推背図』の予言内容に合わせて行動選択をしてきたふしがあり、それは共産主義国家になってからも変わっていません。いいかえれば今、第五十七象の予言内容を最も意識しているのは他ならぬ中国の指導者たちでしょう」(鮑氏)
謎解也! だから中国は、わざわざ日本領海内に潜者非魚(原子力潜水艦)を発進させたのかい!? それで小泉首相は、靖国パワーで対抗? というのは深読みのし過ぎか…。
やはり日本海周辺がきな臭い…
何か、第三次世界大戦=オカルト大戦争の様相を帯びてきたが、もし実際に戦闘が起きれば最新兵器の総出動である。鮑黎明氏が心配するように、巻き込まれた国々では結果的な勝敗に関係なく多くの人命が失われる!
果たして今年、そんな予言どおりの大破局が現実化する可能性はあるのか!? この先は、専門家たちの意見を判断材料にするしかない。まず本誌・軍事問題特集でもおなじみの軍事ジャーナリストの世良光弘氏はいう。
「そうですか、そんな予言書があったんですか。結論からいいましょう。私も2005年こそ、第二次大戦終結以来、最も多国間戦争の危機が高まっている年だと思います。日本が直面する脅威は、やはり第一に北朝鮮です。この先の6か国協議にも北朝鮮はたぶん参加せず、それが危機的状況の急激な高まりの原因になるでしょう。昨年6月段階で米国が作った詳細な核開発廃棄プロセス案は北朝鮮に渡っていますから、次回の6ヵ国協議では米国に対して必ず何らかの返答をしなければならない。かといってNOといえばおしまいだし、YESといえばたちまち米国ペースでリビアのように骨抜きにされてしまう。だから心底、会議参加はしたくなく、あくまでも6カ国協議自体を核保有の既成事実作りのための時間稼ぎに利用しようとあがくしか道はないんです。金正日にとっては弾道ミサイルと核は、人民軍を中心とする体制維持のための最も重要な道具ですから、今さら放棄はできない。しかし米国としても、今年後半まで問題を先送りはしません。北朝鮮はすでに長崎型原爆4発から6発分のプルトニウムを抽出済みとみられ、このまま時間稼ぎを許せば年末までには約10発の核兵器を保有可能なので、これ以上待つはずはない。だから2005年は米国の先制攻撃か、あるいは北朝鮮が友好善隣条約国の中国を巻き込むために先に軍事行動を起こすか? という危険きわまりないチキンレースがとっくに始まっているんです!」
続いて軍事評論家の水上良輝氏は、こう分析する。
「北朝鮮の経済は完全に崩壊し、頼みの綱だった中国も食料や燃料を輸入に頼ろうとしている状態なので、金正日政権は今年の冬さえ乗り切れず、ついに自壊してしまうのではないでしょうか。しかし、それで極東アジアの平和が回復されることは決してなく、北朝鮮という厄介者がいなくなった後は、ただちにアメリカと中国の対立が先鋭化します。むろん中国と近接した我が国は、そのにらみ合いの矢面に立たされ、たとえ短期間の戦争状態でも米国以上の痛手を被るとみています」
もう、たくさん!! と叫びたくなるような悲観的予測ばかりである。こうなると、『推背図』のことなど知るべきではなかったという後悔が強まる。
だが、ページを開こうが開くまいが、この予言書には愚かな人間社会の運命を決定する、強力な魔力が秘められているような気がするのだ。再見…?
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