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Ayaさんがお造りになった絵本です。

 今からずっとまえ、アフリカに、大きな森や山や谷をいくつもこえたところに、小さな国がありました。その国には、とてもりっぱな王様がいました。
 王様の名前は、ルグアナといいました。ルグアナ王は、王様になっていらい、ずうっとふきげんでした。なぜなら、いそがしすぎて、昔のように自分のすきなことができないからです。さらに王様がふきげんなりゆうは、おしごとにありました。ヨーロッパからきた男が、しつこく王様のところへやってきてこう言いました。
「あなたの国で、ぞうげをとらせて下さい」
「とんでもない、自分のためだけに象を殺すなんて、許されるはずがない」
「あなたのおしろにかざてあるぞうげは、象の許しでもらったというんですか?」
「そうだ。だいだいの王の親友である象が、かたみにくれたものだ」
 
 男はこの国いがいのところで、たくさんの象を殺していました。
 そして男はこころのなかで言いました。
「こんな王様に、あたまをさげることじたい、ばかげている」

 その日の夕方、王様は、いつも王様のことをやさしくしてくれる親友のルムアナのところへ行きました。
「わたしはどうしたらいいんだろう」
「どうしたの?ルグアナ」
王様は象と話をすることができました。
「だいじょうぶ、うまくいくよ・・・自分のちからをしんじなさい」
「そうだ・・・だいじなことを思い出させてくれてありがとう」
王様はルムアナのはなにキスしました。
 
 次の日、王様は家来たちに言いつけました。
「ヨーロッパからきた男たちが、ないしょで象をおそわないようにみはっておけ」

 それからしばらくは何もおこらなかったし、男もきませんでした。
 しかし、王様の知らないところで何かがおこなわれていたのです。

 ある日、ルムアナは王様にうちあけました。
「ルグアナ、・・・実はもうこの国には、私いがいの象はいなくなってしまった」
「ヨーロッパからきた男たちが、わたしたちの群れをきみたちに内緒でさがしはじめたんだ。わたしは危険を感じて群れをひみつの場所にひなんさせた」
「かれらとわたしたちでは、象にも幸せにたいしても考え方があまりにちがいすぎる」「かれらは象と話ができない。そしてかれらはわたしたちをぞうげについたオマケぐらいにしか思ってないから、ためらわずにおそってそのきばをもってかえり、お金にかえる」「かれらはそのお金でくらしている。そしてかれらにとって、ぞうげがたくさんとれてお金がたくさんできるのが幸せというものなんだ」
「お金は必要だけど・・・かれらはお金が無いと幸せになれないの?」
「そんなことはないよ。愛する人と一緒にいるときや、きれいなものを見た時なんか、かれらは幸せになっている。でも、そんなことはすぐわすれて、お金がなければ幸せじゃないと思いこんでいる人がたくさんいる。本当はこころがすてきにかんじるときのはうが幸せだということにきづいていない人が多すぎる。もちろん、そのためにお金が必要なときもあるけれど・・・」

 しばらくして、ルムアナは病気になりました。
「わたしはもう、助からない。最後にどうしても行かなければならないところがある・・・いのちを終えるために」
王様は、こらえていたなみだを流しました。
「せめて、・・・最後まで一緒にいさせてくれ・・・お願いだから!!」

 次の日、ふたりは日の出とともにしゅっぱつしました。悲しいたびのはずでしたが、王様はふしぎと心がおちついていました。ルムアナは自分が死ぬのをこわがていなかったし、悲しんでもいませんでした。そのことが、王様を安心させたのでした。
 その日の真夜中、ふたりはやっとその場所へたどりつきました。森の中に、月の光りをあびて見えたものは、数えきれないほどの象のほねでした。
「わたしたち象がねむりにつくところだよ。だいだい、王の親友の象も、死をさとると食事を断って王とともにここへ来た」
 ふたりはじっと、星を見ていました。流れ星が見えた時、王様はとっさにおいのりしました。   <どうかずっと、このままでいられますように>

 ふと、ルムアナが言いました。あの流れ星はだれかが生まれたあかしなのだ・・・と。
「そしてひとつへった星のかわりにわたしが新しく星になる」
「わたしはもう年をとっただけだよ。生き物はみんなこうなってねむるんだから・・・
悲しまないで」
「むりだよ!そんなこと。もう会えなくなるのに・・・!」
「そんなことはない・・・そばにいるよ。ずっと。みえないかもしれないけれど」
「どうやって?」
「わたしたち象は・・・王と親友になった時に、王をずっとみまもる役目をもつから
・・・だから・・・悲しまないで」
「そんな顔をしないで。だいじょうぶ、自分なちからをしんじなさい」

「そろそろ・・・いかなければ」
           ・・・そして夜明けの光りをあびながら、息を引き取りました。
「だいすきだよ」
王様はそう言ってルムアナのおでこにキスしました。

 王様は悲しみにおぼれたりせず、しゃんとしていることができました。ルムアナはいつまでもみまもってくれるから・・・

 それから一年後、王様はルムアナのようにやさしく、とてもきれいなお妃様をむかえました。
 ヨーロッパから来た男は、この国に象がいないとわかると。くやしがりながら帰っていきました。
 王様は、ルムアナが言うように自分の力をしんじ、たくさんいいおしごとをしたので、国じゅうのひとから『りっぱな王様』といわれるようになりました。ルグアナは《王様》が大好きになりました。
 やがて王様もねむりにつくときがやってきました。王様は息を引き取るまえに、じぶんの子供たちに言いました。
「じぶんのちからをしんじる者は、幸せになれる」
王様のさいごの言葉は、のちに国のことわざになりました。そして王様の子供も、王様とおなじように象の親友をつくりました。